過去の個人HPに掲載していたらしきもろもろのバックアップを
少しあさってみたのですが
ちなみに、当時…二十年以上前だと外付けHDが
めちゃ高いというか、容量も少ないし100GBとかがメジャーだった感じで
CD-R(懐かしい…)やDVDに焼いた方が早かった部分もあったんですね
なので、ディスクを読み込んで…という具合で探してみたのですが
カミマイパラレル長編小説の『ホワイト・ゴースト』と『シェイド』が
見つからなくて、再録は不可能っぽそうな印象です…
その代わり、なんか…懐かしくて
頭の中からすっかり忘れているものたちを少し見つけたので
機を見て公開できればと思いつつ
内容は至極あほです…
カミマイはあんまり遊ばなかった感じもありますが
本家サイトでアニメハム太郎妄想落書きがたくさんあるので
はじけていたと言えばそうなのですが
なんかね…笑ってしまうほどわが道を行っていて面白かったです
赤青は面白かったですね…!
なんであんなに面白かったのか、謎であります
ということで、現在進行形で完結に突き進む
カミマイの『空の民草の民』シリーズの更新はこちら…!
pixivでもシリーズでまとめてますので、気になる方は是非どうぞ…!
★★★
水堂とらくファン作品・空の民草の民シリーズより
幻想水滸伝2【カミマイ】妄想22
カミュー×マイクロトフ
はるかなる青
グラスランドに帰ったら忙しくなる
カミューはそんな風に言いながら、部屋にあった私物の処理をしていた
ロックアックスで手に入れたものはすべて処分をして、元々持参してきたものと馬と剣を伴って、身ひとつで帰るという
処分と言っても捨てるのではなく、後輩や同僚に譲る方法で片付けていく手はずらしい
手伝いに訪れた者に優先的に手渡しているようで、すでにかなりの量がなくなっていた
すべて片付けられなければ、どこかに寄贈することも検討しているらしい
その過程で、出てきたのが先の台詞だ
「まず手始めに、私の自由騎士としての功績と実績を作らなければならないからね」
マチルダ騎士団との国交を確立するためには、カミューがそれなりの地位と信用を地元でも得なければならなかった
とはいえ、男の兄の勧めで、かなり上等な席をカマロの側で用意して待ってくれているらしい
統一戦争に参加した騎士団長の一人ということで、向こうがカミューをかなり高く評価してくれたようだ
しかし一方で、それがプレッシャーにもなるだろう
カミューは不敵にも、それくらい困難な方が面白いと言って眼を細める
元々負けず嫌いのたちで、幼い頃は喧嘩っ早くもあったらしい
ロックアックスに着いて、騎士としての体面上柔和を繕うようになってからはすっかりなりを潜めたが、カミューは元々が火のさがだ
易い道よりも、そうではない方を選ぶ
その方が、生きている実感や手応えを感じるからかもしれない
親友に語る様は、難関や難問をいくつも超えてきた男の目だった
「マチルダ騎士団長のお相手を務めるのであれば、相応の地位を得なければ釣り合わないだろう?」
…なんのお相手だ、と、若干胡乱そうな目つきで見返すと、男は肩をすくめてやり過ごした
マイクロトフは余暇を過ごすために、カミューの元へやって来たのだ
「部屋が片付いた後は出発までの日数、寄宿舎で過ごすと聞いたが」
男の動向について、マイクロトフは側近から耳にしている
元々赤騎士の団長の近くで働いていた騎士の一人だ
密命も密使もこなしてきた人物で、カミューも知っているので問題はない
「私としては宿舎などよりも、おまえの私的な寝室に泊めてもらいたいところだけれどね」
減らず口は健在らしい
故郷に帰る日が近づくにつれて肩の荷が軽くなったというよりも、重責から解放されたことが原因だろう
カミューは自らの仕事をきっちりと後任の騎士たちに分け与え、彼らをサポートしながら慣れるまで指示を行い、徹底的に教え込んだ
半端にはしたくなかったと言って、その分出立の日が後ろ倒しになったが、大事な親友を任せるのだという強い責任感も理由としてあったのだろう
すでにマチルダ騎士団の相談役の肩書きはなく、今のカミューは元赤騎士団長というだけの、役職を持たぬ一介の騎士でしかない
現役の騎士であることに間違いはないが、今度はカマロ自由騎士連合に所属することになる
マイクロトフは、騎士見習であった頃から男とは知り合いだが、赤騎士でなくなったカミューというものを知らない
自身でも持て余すような感慨にとらわれながら、友人が過ごした部屋の片付けの作業を手伝った
「それで、返答は?」
なんの話かとマイクロトフは本を片手に考えたが、どうやら寝室云々の返事を催促しいるらしい
「…宿代はどこから徴収すればいい?」
問えば、軽快な口調が返る
「騎士団長様のご所望とあらば、不肖わたくしめの体でお支払いいたしますが…?」
本気とも冗談ともつかぬ本音だった
「…有難い申し出だが、辞退する…」
わずかに染まった頬を自分でも意識しつつ瞑目しながら丁寧に断ると、くっくと男が肩を揺らしながら笑った
今だにカミューとマイクロトフの関係は清いままだ
いや、本番を抜きにした付き合いというか、睦みあうことは頻繁にあっても、結果として最後までには至っていない
カミューがその気にならないのではなく、そうなれないのではないかとマイクロトフは考えていた
今この時期に関係を深めて、行くな、帰るな、と言うことはできはしない
カミュー自身も、マイクロトフに止められることを望んではいないからだ
「私が騎士であることを辞めないように、おまえはロックアックスから離れることはできない」
いつかカミューが、戯れの最中、何度か口にしていたことを反芻する
「それでも私は、おまえがおまえの意思で私の元に現れる日が来ることを待ち望んでいるよ」
そして、目の前に姿を現した暁にはもう離すつもりはない
カミューは静かな声調でマイクロトフに宣言した
誓言と言っても良かった
そしてそれは予見であったのかもしれない
マイクロトフはカミューの一見横柄とも思える物言いに、なぜか反論する気が起きなかった
いつかは
いつかは必ずカミューに会いに行く
それでロックアックスに戻れなくなろうとも、その時は自身がマチルダを、騎士を辞す時だ
なんらかの決定を求められた時には、必ずそうする
それはマイクロトフの誓いだった
だからマイクロトフは、カミューの言葉に、ああ、と力強く頷いた
カミューには伝わったと思う
俺がおまえの元を訪れる時は、騎士ではなくなったときだ
願わくば、その時の自分が男に誇れるような存在であり続けられるように
それだけがマイクロトフの望みだった
「今日はこの後、遠乗りに出かけないか」
マイクロトフからの提案に、カミューは片言で、良いね、と言った
カミューにロックアックスとマチルダ騎士団領の景色を覚えていてもらいたい
二度と帰らぬつもりでここを立つ友人に、すべてを記憶に刻んでもらえるように
共に過ごした青春時代を忘れないように
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