…早くお洗濯がしたいです^^;
ということで、今日は病院へ通院してきます…!
天気が晴れたり雨が降ったりと色々ですが
どなたさまもつつがなくお過ごしください…!
カミマイの完結まで、あと10話…!
あ、あと、原稿作業中に過去の赤青作品を発掘できたものについては
どこかで公開できればと思います
空の民草の民シリーズはもしかするとすべて再録できるやもしれませんが
内容的に…というか文字数的に非常に長いです!
HPの更新アプリが手元にないのでサイトに載せることもできず…
悩みますね……うーん…!
★★★
水堂とらくファン作品・空の民草の民シリーズより
幻想水滸伝2【カミマイ】妄想18
カミュー×マイクロトフ
有色の日常
カミューから指摘されるまでもなく、マイクロトフはサウナが好きだった
水風呂はどちらかと言えば苦手だった
全身の肌がふやけるようだし、個々で水温の好き嫌いがあるし、湯船に浸かったままでじっとしている時間が無駄のように思えたからだ
同盟軍の居城であるデュナン湖のほとり、マチルダ騎士の駐留場所にサウナが設置されて以来、マイクロトフは可能な限り就寝前にはそこへ行くようにしていた
たまに午前中の任務が終わるとその足で向かうこともある
自分一人しかいない時は静かに目を閉じて熱さを感じて滲んでくる汗を堪能し、前後に人が居合わせた場合は彼らと簡単な話題で盛り上がった
サウナはマイクロトフにとって小さな社交場だった
そして何よりも喜ばしかったのは、垣根があると思われていた赤騎士たちからも話を聞く機会が増えたことだ
カミューについての噂もよく耳にする
今でもやり手だと評判で、若い時分から種々の戦功と戦績を挙げていたので団長の任に就く前からの有名人だったと
もちろん過去には手痛い失敗もあったが、元々気が利くということで周囲の覚えがめでたかったし、円滑な組織の運営の手腕に関しては皆一様にその成果を褒め称えた
無論、騎士として剣士としての技量や腕に関してはその役職に恥じないくらいカミューは強い
士官学校時代の同期だったマイクロトフが公言するくらいだ
カミューの場合は強いと言うより巧みだ、と表すのが適していたかもしれない
あれは元々喧嘩慣れをしているのだろうと、マイクロトフは昔から考えている
戦いの駆け引きがとにかく旨い
状況判断が教本通りではなく、文字通り手慣れている者の動きだった
しかも、抜群に運動神経がいい
高位の紋章を扱える資質もさることながら、やはり騎士としては自分よりも一段上にいる人物なのだろうとマイクロトフは思った
しかしそれゆえに鍛錬の指導者としては、幼い頃からから祖父の手ほどきを受けていたマイクロトフほどには適さない
カミューの高度すぎる技術について理解して実践できる者が赤騎士内でほとんどいないというか、伝わらないというか、要するにお手本にならない
精々紋章に関する知識と実践の話を交えて、使いどころや戦術を指南するくらいが向いていた
カミューは多方面で努力家である一方で、個々の戦闘に関することに対しては天才というか秀才なのだろうと、マイクロトフなどは思う
生まれがそもそもロックアックスではないのだから、長短がそれぞれにあって然るべきだとも考えた
赤騎士たちからカミューの話を聞いて、部下たちに対して手厚いのだな、とマイクロトフは実感した
組織の長として気遣いもしっかりしており、細部への声かけも頻繁で、そのやり方も嫌味がないし、指示や説明も丁寧でわかりやすい
嫌な素振り一つ見せずに淡々と実務をこなすし、上下への対応にも差がないし、受け答えがさらっとしており、熱くなる場面が一切ない
加えて、理解力に優れている
それゆえに下からは慕われているという
実際のカミューはな…、と言い募りたい気持ちを抑えつつ、マイクロトフは良い気分で親友である男の評価に耳を傾けた
「われらが団長の話を聞いている時のマイクロトフ様は、実に嬉しそうですね」
ふとそんな感想を聞かされ、マイクロトフはそれは当然なのではないかと即答した
友を褒められて喜ばぬ人間などいない
そう答えた
相対した側はかすかに驚いたようだったが、青年が冗談ではなく本心から言っていると認めたようだ
「…カミュー団長は、この地に来てからよくマイクロトフ様のお話をされるようになりました」
「…………」
一瞬言葉に詰まったが、そうか、と答えたマイクロトフの相貌には、意識せずに笑顔が生まれた
専ら仕事の場面では堅物だと表されるが、裸になってしまえば肩肘を張っていても仕方がない
自然と漏れた笑みに、赤騎士たちは青騎士団長に親しみやすさを覚えたかもしれない
それくらい、サウナでのマイクロトフは素直だった
カミューが変わったことに、赤騎士たちも気づいていたか
身近に接する上司なのだから、当たり前かと思い直す
マイクロトフ自身も、城を出たカミューの変化を強烈に感じている
物腰がさらに柔らかくなった上に、何というか、盛大に余裕がある
本部での会議があって、その帰路、遅い昼食をデュナン城の酒場で共に摂った時も、あれやこれやとマイクロトフの世話を焼いていた
少々うるさくはあったが、カミューの声は耳に優しい
それが本来のカミューという人間であることを昔から知っていたので、マイクロトフは男の好きにさせた
カミューがしたいことをさせ、自分もやりたいようにやる
たまに喧嘩腰になりそうになるが、カミューは終始機嫌よさげにマイクロトフを見る
自分が親友を誰に憚ることなく独占していることに悦を感じているのかもしれないが、それはお互い様だ
二人で居られる時間の、なんと温かいことだろう
人目があっても構わず顎に指を伸ばしてこちらを振り向かせる行為は行き過ぎだと思うが、いちいち目くじらを立てるのも疲れてしまった
カミューのさせたいようにさせる
どうせそれ以上のことはできないのだから
ただ、これが束の間の出来事であり、戦いの最中のほんの一コマでしかないのは事実だ
明日はどうなるかわからない
だからこそ、今を大切にしなければならない
一歩一歩を踏みしめるように
この先に、自分たちの未来があると信じて
「…おかえり」
執務室の前で待っていたらしき影に、マイクロトフは顔をしかめる
もはや反射的なものなので、決して向こうを煙たがっているわけではない
今夜もロックアックス式の風呂に入ってきたので、マイクロトフの機嫌は良い
カミューも来ればもっと話が弾んだのだが、と言葉をかけると、そのうちご相伴に預かるよ、と返された
就寝前に、男は必ず挨拶に訪れる
それが互いの日課になりつつある
確かめるように口を合わせ、抱き合う、それだけなのに
マイクロトフは常に思う
どこまで絆されるのか、自分はこの男の熱に
それは存外、わるくない気持ちだった
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