計量カップを割ってしまったので
百均で買ってきます…!重くないやつを…!!!!!
ということで、カミマイは続くのでした…!
★★★
水堂とらくファン作品・空の民草の民シリーズより
幻想水滸伝2【カミマイ】妄想14
カミュー×マイクロトフ
朴訥が花
本拠地の増設にマチルダ騎士団の力を借りたいとの要請を受け、マイクロトフは即座に補佐役の一人を呼んで手配に当たるよう指示を出した
元々関所の修理や修繕など、簡易なものであれば自分たちの手でやっていたし、ロックアックスでは専門職を招いて定期的に指南を受けていた
マイクロトフは団長位に就くまでは青騎士の各部隊に籍を置いていたという経緯もあり、その担当になったこともあるので抵抗はない
人手が足りなければ、今でも彼らに遠慮なく手を貸した
元々、体を動かすことが本分のような騎士団だ
土木関係に専門的な見識と腕のある補佐役も数人かかえており、彼らの判断で作業に適した騎士らを選定させ、素早く任に当たらせた
城や拠点の拡張や改築などは、青騎士たちにとっては朝飯前で、警戒に当たる警護や見回りなどよりもひっきりなしに動き続けられるのでむしろ有難いと思う者も少なくなかった
土埃や泥にまみれるのが好きな騎士と言っては少々言い過ぎの感はあるが、マイクロトフ自身も皆と汗する手作業や肉体労働がきらいではなかった
朝の件があったのち、特にそのことに関して誰も忠告も懸念も指摘もしなかったが、団長補佐の一人が当たり障りのないようにマイクロトフの前に進み出て、殊更きつく詰襟を着込んだ上司の許可を得てから思うことを伝えてきた
「団長専用の寝所を我々が空けますので、今夜からそこで休まれては如何ですか」
上下の別なく騎士たちが数人で一部屋に集まり、今でも寝泊まりを続けている
さすがに色の違う騎士団同士が同室になることはなかったが、皆で詰めれば一部屋くらい空けられるとその騎士はマイクロトフに提案した
正式な同盟軍内での会議の出席のみならず、各所での打ち合わせや手配などで忙しく立ち働く団長である青年を気遣って、しかと休眠ができるように計らうという主旨の内容だったが、彼らの本音はマイクロトフの身の安全にあるのだろう
例の赤騎士団長に無体な真似を強いられているのではないかと、大方心配をしてくれているのだろう
プライベートな事柄なので敢えてはっきりとは誰も明言しなかったが、マイクロトフは部下たちに案じられているのだということをすぐさま理解した
しかしそんなことくらいで彼らの懸念材料になってはならないと考え、弁解も謝意もマイクロトフは彼らの前では口にしなかった
「俺は今後、執務室にベッドを運んで寝る。おまえたちは今まで通りを続けてほしい」
正直なところ、マイクロトフは専用の個室などあてがわれても、着替えと就寝以外に私的に利用する目的がそもそもなかった
青騎士団の執務室は、ロックアックス城のものよりも狭い
大勢の青騎士が行き交い、別々の部署の責任者が詰めて話せるような広い会議室もない
入れ替わり立ち替わり騎士たちが入退室を繰り返し、マイクロトフも執務机の前で立ったまま指示を出すことが多かった
就寝場所として適していないことは確かだが、長椅子を運び込むよりはベッドに横になれるだけでも大分ましなのだろう
訪問者からは見えないように仕切りを作り、そこに団長服をかけて休むことができればそれでいい、とマイクロトフは言った
寝入ってしまえば、どうせ朝まで起きないのだから
「…この際、我々の手でこの部屋を拡張してはどうですか?」
建築や建造の心得のある者が多い青騎士らしく、騎士団長室の敷地面積を増やしてはどうかという意見があがる
実際に、自分たちにはそれが可能だ
マチルダ随一の団結力を誇るがゆえに、おそらく驚くほどの短期間でそれを成してしまえるだろう
また、その作業は戦場に出るわけではないので、騎士たちにとっては比較的安全な仕事であるとも言えた
「…俺は構わないが、問題がいくつかある」
ひとつは、青騎士団の執務室だけを拡張してはカミュー以下赤騎士たちに示しがつかない
次に、城の内部を自由にいじって良いのか許可がいる
最後に、安全性はもちろん、予算の確保
後ろの二つは盟主と軍師に直接尋ねることとして、問題は一つ目だ
カミューの許可をもらいに行くことそれ自体は構わないのだが、やはり一方だけの執務室を広くするのは恰好がよろしくない
バランスを取るべきだと、マイクロトフは考えた
無論、騎士団内に不平が出ないことを慮ってだ
そんな些末なことに目くじらを立てる輩は赤騎士の中にはいないよとカミューに諭されるのが落ちだろうが、問題はそこではない
団結を必要とするなら、必要最低限の体裁は整えるべきだ
対外的にも、内面的にも
「では、赤騎士団長の執務室も同じように拡張しましょう」
うむ、とマイクロトフは大様に頷いた
「できれば、赤騎士団の部屋はこちらより豪勢に頼む」
一瞬虚を突かれたようだが、確かに体面上そうした心積もりは必要であるだろうと察し、進言した団長補佐の騎士は、図面に書き起こしてまいりますと断って、知識のある騎士数人を伴い、別の部屋へ移動した
ここがロックアックス城内であれば青騎士団の政務室の一角を借りれば済むのだが、彼らの駐留を許されたこの場所がまだまだ手狭であることは否めない
「もう少し、軍師殿に融通をしていただくか…」
今でも十分、大所帯であるマチルダ騎士団には無心してもらっている気がするが、組織ゆえに割かねばならない経費や、回してもらいたい設備や部屋はある
これ以上わがままを言って、迷惑がかからねば良いが
だが、マイクロトフは完全に失念していた
拡張工事が済むまでは、カミューと寝所を共にしなければならないという現実を
マイクロトフから工事の件を聞かされたカミューは、実直な親友の詰めの甘さに呆れたような苦笑をその頬に滲ませた
マイクロトフがその意味に気づくのに数分の時間を要したことは言うまでもない
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