禁欲生活を強いられる(苦笑)二人の期間が多くて
やきもきしますが、同盟軍に参加している間にかなり進展してくると思います
ゴルドーの監視下から解き放たれた赤青(カミマイ)…!
というわけなので……………
策謀渦巻くロックアックスから解放された
二人のムフフの運命は…!?
えっくすなどでもつぶやいておりましたが
カミマイの空の民草の民シリーズは全28話で完結します…!
やったぜ…!!
最後までどうぞお楽しみに…!
★★★
水堂とらくファン作品・空の民草の民シリーズより
幻想水滸伝2【カミマイ】妄想11
カミュー×マイクロトフ
禁欲は飽和する
マイクロトフは友としてのカミューを愛していた
愛と言っては語弊があるかもしれないが、カミューの存在を大きな心で受け止め、捉えていた
それはすなわちマイクロトフにとっての友愛であり、恋情とは遠く、求められていないからこそいだくことのできる、ほぼ一方的な感傷だった
よく言えば無償の愛であり、マイクロトフからすれば、無意識であるとはいえ、それは非常に価値のあるものなのだろう
カミュー自身がそれとは異なる感覚をマイクロトフに持っていたとしても、マイクロトフが感じる友としての愛を簡単に覆すことはできない
そもそもマイクロトフはカミューを憎いとは思っていない
長所と短所がまるきり逆で、敵わない相手であるからこそ、マイクロトフにとってカミューはライバルであると同時にかけがえのない存在だと言えた
自分に持っていないものを、カミューが全て持っている
マイクロトフにとって、学び高められる存在として、友がある
それを愛する、という行為は、どこをどう切り取っても整えられたように清潔で汚れがなく、それひとつで完全なるものだった
友愛は、その一言だけで足りぬものがなく
それひとつで、すでに完成形だった
それが、マイクロトフという人間だった
マチルダ騎士団の一部が同盟軍に荷担したことで再編成を余儀なくされ、奔走した時期が過ぎてしまえば、あとは夜を静寂が包むのみ
出兵の命令が直接下されなければ、存外のどかな時間が長く続いた
それと同時に、大義という名目を前にして本能的に隅へ追いやっていた生身の部分が表に出てくる
カミューはその事実を歓迎しながらも、この部屋の中はまるで沙漠のようだと感じた
背後に、自分以外の気配を感じる
マイクロトフは一度寝入ってしまうと誰が何をしても一向に起きない体質であることは、寄宿舎時代に同室だった者たちの間ではかなり有名だ
戦場であれば常に気を張っているが、私生活では見た目よりもはるかに図太い
どこであろうと横になったらすぐに寝付くことができる様は、こどものようだと表すよりも、就寝すると決めた直後にすべての回路が切断されてしまうかのような、マイクロトフの特技とも言える代物だった
得意なのは剣術と馬術だが、とにかくすこぶる寝つきが良い
代わりに朝が早い本人には自覚がないことだったらしいが、眠った時の記憶がない、と昔からよく漏らしていた
寝る決心をした途端に思考が事切れるのであれば、それは当然のことだろう
今も隣の寝台の上に姿勢の良い姿で仰臥し、枕に頭を乗せ、一定のリズムで胸をかすかに上下させている
カミューは毎晩マイクロトフに背を向ける形で横になっていた
寝る間も惜しんで今後の騎士団の在り方について相談し合っていた以前であれば、自身も疲れ果て、意識の外に追いやることもできたが、そろそろそれが難しくなりつつある
マイクロトフはそんなカミューの胸中など知らず、呑気に寝息を立てている
士官学校で同室だった時分とは明らかに違う、大人の顔で
同盟軍の本拠地にある赤青騎士団の執務室はそれぞれ個別に分けられるようになったが、当初は部屋数が足りずに二人で机を横に並べた室内に、各団の騎士たちが入り乱れて入退室を繰り返していた
しかし拡張工事が進むにつれ、せめて団長が詰める部屋だけは鍵を付け、別々にした方が指示が伝えやすいということで分けてもらったが
眠る場所は相変わらず、他の騎士と同様、数人単位で割り当てられた
団長職といえど、例外ではない
マイクロトフ自身は、野営の最中も部下たちと並んで寝ていたので違和感はないらしい
赤騎士である自分は常にひとりで机をあてがわれ、眠る場合も天幕の奥で仕切りを作り、割と自由に単身で寝ていた
騎士団内での環境の違いだと言ってしまえばそれまでだが、カミューはあまり健全な意味合いで他者と寝所を共有したことがない
マイクロトフと寝食を共にした騎士見習時代であれば、マイクロトフが館内の責任者に異郷から来た志願者の世話係を頼まれた経緯もあり、また、自身も初めて見知った異国の友人という理由もあって素直に受け入れたが、今のカミューにとってマイクロトフと枕を別にしているとはいえ共寝するという状況は、二重にも三重にも意味が違った
恋う相手の存在を背後に感じ、いささかの気負いもなく眠れる方が不健全であるように思う
あちらが何の考えもなく就寝していることは事実だとしても、カミューの方はそうではない
いっそ、執務室に移って適当に眠ろうかとも考えたが、夜着の恰好で鍵を探すのも面倒だった
その上、日が落ちれば建物の中といえども寒い
マイクロトフは自分をどのように捉えているのだろう
ゴルドーや白騎士の管理下から解放されて、昔のような友人としての付き合いに戻れたことを純粋に感謝し、今を享受しているのだろうか
騎士団の重役に就いて以降、マイクロトフの側から故意に親交を断絶した状況が、自身の執着に油を注いだことは確かに認めよう
だが、一度火が点いた灯火は、燻火は、決して消えることなく我が身にくすぶったままだ
おまえ自身を灼いても飢えて渇き、飽くことを知らないだろう
いつの間にかカミューは体ごと相手の方を振り向き、長い四肢を伸ばして横臥していた
そして気配を殺して寝台を降り、隣で安らかな眠りに就いたその姿態を見下ろした
無言でマイクロトフの体に馬乗りになると、狭いベッドのスプリングが軋んだ音を立てた
マイクロトフの薄い寝巻きの襟の内側に、指先を忍ばせる
烏の羽よりも光沢のある黒髪との対比で、ほのかに輝いて浮かび上がる白い喉に口付ける
跪く敬虔な信徒のように、しかし明確な目的を持って、息を吐く
寝ついた青年の喉元を通り、吐息は鎖骨へ
そこで立てた濡れたような音とともに、カミューは乗り上げた上半身を横へずらした
マイクロトフの綺麗に隆起した胸と肩の筋骨を長い指と掌で味わうように動かすと、密になった部分がしっとりと汗ばんだ
「マイクロトフ」
名を囁いてもいらえはない
男の手で暴かれてゆく白磁の肌膚に、音も立てずにカミューは歯を立て、自身の足跡を刻んだ
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