pixivとクロスフォリオでもカミマイの更新をしているのですが
好きな場所で読んでいただけるのが一番適していると思います
今のところ、30話前後で完結できるのかな…といった具合で
カミマイがベッドインするまでの道のりはちょっと遠そうです
最後ら辺になるかも…
でもその間に、恋愛の駆け引きではないですが
カミマイらしい恋情未満の友情っぽいやり取りが
そこはかとなく繰り返されているという具合ですね…
あの時代に流された騎士たちの変遷…恋物語(!)…といった印象です
カミューがマイクロトフのことが好っき!なのは
見たままが好き、みたいなところがあるのですが(恋)
マイクロトフはカミューすごいな…で惹かれているので
カミューがんばれ…おまえはいい男だ…という
書き手側の応援する気持ちも大いに無きにしも非ずです
個人的に常に攻めキャラを応援したいので………
わけがわかりませんが、お話はじゃんじゃん続きます…!
元ネタを知らない方にこそ、気軽に気楽に読んでいただきたいBL物です
★★★
水堂とらくファン作品・空の民草の民シリーズより
幻想水滸伝2【カミマイ】妄想10
カミュー×マイクロトフ
変転の友愛
マチルダから離れることを選び、祖国に反旗を翻したマイクロトフは、カミューの助力を得て騎士団の再編成にすぐに取り組むことができた
団長である彼ら二人についてきたのは赤青の上層部を含めた団の半数の部下たち
カミューとマイクロトフの側近の面々は直属の上司である彼らに追従し、ロックアックスに残ったのは内情を漠然としか知らされなかった、かなり末端の騎士たちだった
例え所属する騎士団の最高責任者が彼らの直接の指導者であったとしても、国と家族のことを思えば二の足を踏むだろう
今頃白騎士団長であるゴルドーが権威を嵩にカミューたちに代わる責任者を指名し、団長職に就けたはずだ
あるいは白騎士の名の下にすべての権限をゴルドー一人に集約し、実権を握ったか
マイクロトフたちの離反と同盟軍への参加は、マチルダ騎士団そのものには何の痛手でもなかったという内外へのアピールのためであるのだとすれば、それは成功しただろう
しかし騎士団のカリスマは間違いなく正式な騎士団長であったカミューとマイクロトフであり、団長補佐役の誰一人として彼らの元から離れる者はいなかった
ついてきた騎士の中にも、途中でロックアックスに戻った者はいる
故郷での懲罰を免れるよう直々に書簡を手渡して見送ったが、無事に親族と再会できたことを願うばかりだ
各々の事情を抱えたそれらの騎士たちを除けば、カミューとマイクロトフの側についた面々は騎士団の中でも錚々たる顔ぶれだった
結束力は青の騎士団が誇り、騎士団の統率力は赤騎士が担う
同盟軍と合流した彼らの堂々とした姿は、そんな印象を周囲に与えた
これから、忙しくなる
マイクロトフがそう考えたのは、同盟軍内部での騎士団の立ち位置だ
マチルダ騎士団を名乗る以上、自分たちがすべきことは戦闘員として戦力面でのリーダーシップか若しくは助勢であり、同時に警備や密偵、情報収集などの組織的な知識と手腕を求められているはずだからだ
要するに傭兵とは異なる大きな枠組みの中の組織のやり方で同盟軍に力を貸し、自らの志を変えることなく軍の中で騎士団の名と身を立てる
簡単に言えば、ロックアックスにいた頃と立ち回りが変わるので、そのための再編成と心構え、それに伴う人員の配置と騎士たちの再教育が不可欠だった
とはいえ、勝手知ったる何とやらで、騎士たちは自分たちこそが団長を頂く正規のマチルダ騎士団を自負する手前、こまごまとした指導までは改めてする必要がないように思えた
彼らは誇りを持って騎士以外の人々と気さくに接し、様々な事情を抱えるメンバーとも紳士的且つ理性的に相対することができた
戦闘では実践力と経験者のどちらが優れ適しているかの判断を迫られる場面もあったが、理性ある彼らが半歩引いた姿勢を見せることで、同盟軍への貢献に毎回成功をしていた
すべては赤騎士団長と青騎士団長の意向に沿うやり方だったが、目立った諍いも少なく、事なきを得ている
それもすべて、カミューとマイクロトフが寝る暇を惜しんで熟考と討論を重ねてきた結果だ
正式に軍師を招いて意見を交換し合う場面もあれば、双方の騎士団の執行部の面々にも同席を頼んで騎士団の在り方について説明をし、理解を得られるまで議論した
納得した上で決定を下した目的意識を、その日のうちに全騎士に通達したので、故郷とは異なる役割であったとはいえ比較的円滑に方針が行き渡ったと言える
領内を治めるのではなく、同盟への実質的な参加だったので、寧ろ騎士たちにとっては個々の煩雑な仕事の量が減ったくらいだ
無論、これらが一時的なもの、つまりはロックアックスの城の外に出た戦闘中の状態、すなわち非常事態であることに変わりはない
しかし騎士たちに常在戦場の心構えがあったとしても、明らかに見える形で負担が軽減されたことも事実だった
「上流階級との付き合いが減っただけでも、私にとっては快適な居場所だよ」
腰を落ち着けられる場所は狭いが、文句を言っていい立場でもないと、赤い騎士服の男は半ば諦観したように口にする
ロックアックスにいた頃よりも、そこから飛び出して自由を得たカミューは明らかに以前よりも明るかった
山々が犇めく城塞都市の石畳を吹き抜ける風に吹かれるのではなく、緑が多く茂る大地に足を踏みしめ、全身をいだかれているからかもしれない
確かにマチルダを任務で離れる時は野営が常であったし、手狭ゆえに拡張しつつ設備を整えている最中ではあるものの、こうしてしっかりと雨風をしのげる建物の一角に腰を下ろせる場所があるということが幸いしたのだろう
カミューの表面は、意外なほど穏やかだった
「騎士たちから、不満は出ているか?」
問えば、予想の範囲を超えない程度にはね、と落ち着いた声音が返る
常日頃から理知的である男は、しかし、目に見えて険というものがひそめられている
だが、マイクロトフはそれゆえにカミューの本性に近い部分が露見していると思った
こうして慌ただしい中、新しい局面を迎えたマチルダ騎士団を自分たちの手で支え、維持しつつ新たな形を共に作り上げることができたのは幸運だった
騎士団を誇りに思っているのは男も同じなのだ
当たり前のことを再認識し、マイクロトフは心底から目の前の親友を讃えた
実際にカミューが率いる赤騎士団が同盟軍の内部で果たした役割は大きい
仕事柄、対人関係や情報の精査や収集、取引の伝手など、細かな部分では専門家である赤の騎士団には敵わない
青騎士たちが不勉強であるのではなく、まさに専門外だったからだ
一方で、集団での戦闘や役回りと分担に関しては細部まで団長による青騎士たちへの意思の疎通が行き届いており、マイクロトフの教育の賜物だな、とカミューを感心させた
カミューにとっては既知あったろう事実を、赤騎士たちの前で彼らの団長自らが語った行為にこそ意味があったのだろう
結果として、ロックアックス城内で綺麗に上下で分けられていた赤と青の騎士たちの両方に、マチルダ騎士団として結束することの重要性を教えた形になった
カミューが抜け目なく、賢く、やり手であることは前々から、それこそ士官学校に入る前からわかっていたことだったが、放つ言葉の一言一句、動作の一片、行動の一部始終を取って見ても、無駄がなく考えがあってのことだということが具ににわかる
深慮があり、軽率な真似は好まない
これは自分などには到底真似できないことだな、とマイクロトフは即座に思った
加えて人当たりが良いので、敵を作ることがない
媚びているわけでもないのに、不思議だな、と思った
「下手に出れば、付け上がらせるだけだからね」
お世辞も適当であればあるほど良い
カミューが言う適当とは、大雑把な意味合いではなく、要点を絞ったもののことだ
簡潔明瞭で、嫌味がなくわかりやすい語録
無駄のない会話や交流術は、よほど目はしが効くか、頭の回転が早くなければ、それこそ天賦の才に近かった
「…俺には不可能だ」
半ば呻くように呟くと、それを聞いたカミューはうっすらと微笑ったようだ
「おまえにそれを求めること自体、行き過ぎた行為だと思うよ」
人間には長短があるからこそ適材適所で活きるし、精進の指標にもなると
「師のようなことを言う」
どこかで読んだ本の中身の受け売りだよ、と軽く返された
カミューと交わす何気ない一言一言が快く感じる
やがて、一時休戦だ、と男は言った
同盟軍での騎士団としての存在感と在り方が、見える形で彼らの中に浸透し、正規のマチルダ騎士団がこちらであることを知らしめるための努力が今後も続くだろうことを見越しての言だった
カミューの言う休戦とはすなわち、親友との関係が険悪な状態にならないように心がけるという意味だろう
誰の目も憚ることなく団長同士が議論し合える現状は、男にとっては肩肘を張らなくても済む現実なのだろう
力を抜いて、昔のように付き合える、ということだろうか
「カミュー」
行軍の途上、馬上で横に並んだカミューの、風を受けて膨らんだ柔らかな髪色が視界に広がる
「よろしく頼む」
握手を求めて利き腕の手のひらを差し出す
仲直りの証であり、これから先の未来を共に切り拓こうという無言の言葉を乗せて
数瞬間を置いて、そっとそれは握り返された
手袋越しの、一部分での確かな抱擁
男の眼にははっきりと、複雑な色が浮かんでいた
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