龍飛王×鼓翼のお話は
書いているとお腹がすごく減ります…
オリジナル【四人の王】妄想より
龍飛王×鼓翼
豹變王とラーメンを食べに行くお話
外にラーメン食いに行かねえ?、と、鼓翼に誘われた
それはお店の予約のキャンセルがかなり早い段階で入っていた日の午後
二組目の来店までは二時間くらい余裕があるという時だった
豹變王は仕事※個人トレーダー※が一段落していたので、鼓翼から声をかけられて、ちょうど小腹が空いたなと思った
「二軒くらい梯子するけど」
豹虎の間ではお店の梯子※ゲーセンとかファスト・フードとか※は常識だ
「行くかー」
短く返事をして、とりあえず羽織れるような上着を拾いに行く
豹變王は龍飛王のところで同居しているけれど、自室があるわけではない
広大な※龍飛王は仕切りがきらい※リビングの一角を自身の縄張りにして簡単な私物を置いている
これまでは独りでマンションに住んでいたが、そこはもう使っていない
持ち込む物というか簡易な家具は新調して、龍飛王に簡単な確認をしてもらったので家の主の意思にそぐわないものはないはずだ
豹變王が気を配ったというよりも、住居の環境的な調和関係はちゃんとしておきたい性分らしい
寛げる雰囲気づくりにはあんまり妥協をしないというか※自分が快適に生活するため※
豹變王の縄張りというか、仕事場は白と黒が基調の調度品で揃えられていた
この一角が豹變王のフロア、…みたいな(笑)
シックというわけではないがモノクロなのに落ち着いた大人の雰囲気で、恋人をそこに呼んでも見劣りしないような、明るすぎない間接照明が有効に活かされていた
広いので窓から遠いのが原因だが、龍飛王の住居は照明器具が高価で華美な割にムードがあり、ライトの明るさも自然で、空間と完全に一体化していた
生きた花も緑も生き物もいない室内なのに
ホテルっぽくもなく、明る過ぎもせず、家庭的でもない
無論、オフィスっぽくもない
要するに、プロのデザイナーの仕事だった
豹變王のいる場所にベッドはあるが、これもかなりシンプルで掛け布団がない
空調が利いているから必要ねえんだなーって豹變王は言っていたが※横になるだけ※
たしかにここは乾燥もしないし湿気もない
知の王ならではの知識と見識で設えられた、非の打ち所なき龍の住処だった
豹變王は私服や靴の数が多くてクローゼット等をパンパンにしていたらしいが、引っ越す前に大半を処分した
家を畳んだから身軽でいたいとの理由からだが、今は外回りの営業もないし、服装に関しては自由だ※スーツもお気に入りを一着残したきり※
組み合わせやアクセサリーでどうとでもなるし、着た切り雀はしない
買えば捨てるし、捨てないなら買わない
季節ものに関しても同じなので、物持ちは良くない
買い物を一緒にするときもめっちゃ判断が迅速で、見ていて気持ちが良いくらいだった※行動もイケメン※
鼓翼はキャップを深めに被って、ジャケットを羽織った
足元は豹變王と同じハーフパンツだが、スニーカーを穿いている※豹變王はお洒落な男物のサンダル※
「…攫われるんじゃねえぞ」
「誰に!??」
豹變王はなんとなく、鼓翼のお出かけ衣装を見るたびに心配になる(笑)
鼓翼はちび※失礼※なんだけど、龍飛王に散々仕込まれた所為か、かなり性的な見た目だと豹變王は思っている
なんか、擦れているので放っておけなくなるというか、下心がある奴を簡単に引き寄せそうな外見だった
鼓翼を美醜で判断したら、中くらいで
整っていると言うよりも、ただただ普通
でも体つきが少年然としているので※筋肉はあるので脱いだらすごい(笑)※、背丈も低めだから、なぜか目立つ
身長が低いといっても、王たちがでかすぎるだけなので※180以上※鼓翼が特別小柄というわけではない
160以上はあるし…※事実だが微妙※
オーラがなんか、違うんだと思う
鳳舞王や虎嘯王や豹變王らのような一目瞭然のカリスマ性はないけれど、目線を引き寄せる磁力みたいなものが備わっているのかもしれない
実際に鼓翼は秀才なので、その素質※中身が非凡※はあるんだろうなとは思う
事実、龍飛王を引き寄せたし(笑)
龍飛王と鼓翼の出会いは亀兆王がきっかけだが※【裏本・創始の闇】参照※、龍飛王が鼓翼のことを気に入ったのは先見の明がある以上に、鼓翼の隠れた資質を感じ取ったからかもしれない
人を食ったような※失礼※態度が生意気そうでよかったのか
こどもなのに大人顔負けの応対ができていたりとか、特殊な人種にだけ判別がつくような独特の匂いを放っていたのかもしれない
実際、なんか目を惹くからなぁ
本人は外見にコンプレックスを持っているようなので、それがまんま、他人の屈折した趣味嗜好の琴線に触れるのかもしれない
龍飛王の場合は単なる食い気だったけど※そうでもない※
危ういなぁ…と他人事のように思いつつ、ナイト気取りで豹變王は鼓翼との同伴を許諾した
「いきなり誘ったから迷惑したんじゃ…?」
殊勝にも、誘った本人がこちらを気遣ってくるから面白い
「タイミングが良かったからな」
鼓翼と外を出歩くのもきらいじゃないし
豹變王の返答に少しホッとした顔の鼓翼と、二人で肩を並べて街路樹のある歩道を抜けた
駅を二つ三つ乗り越したところのラーメン屋の前で整理券を受け取って並ぶ
看板を見ると、そこそこ名前の知れたとこだった※あとで調べた※
鼓翼はうちでも賄いでも簡単なラーメンを作る※これがうまい※
要望があれば、旬の食材を使った自前のラーメンを客に出す
でも専門店で食べてくれと毎回断りを入れているそうだ※その方が断然旨いから※
鼓翼自身が食いしん坊なので※グルメではない※、本当の美味しさのなんたるかをプロの目線ではなく客の目線で知っているので、本来であれば本格的なところで味わってもらいたいと願っている
しかし中天に来る客は店長でシェフである鼓翼本人とおしゃべりをしたり※鼓翼は語学力もちょっとしたものなので※、討論したりするのを楽しみにしているので、ぶっちゃけ本場の味よりもそちらをメインにしている節がある
なので味についてはもちろんだが無茶なことは言い出さないし※亀兆王が注文の間に立つので※、鼓翼に無理難題を押し付けることはしない
龍飛王と鼓翼に会いに来ているついで、といったところだ※店にはたまに龍飛王も顔を出す※
とはいえ、鼓翼の腕前の進歩が毎度目覚ましいので、二回三回とリピートを繰り返す客が後を絶たない※要するに常連※
それも華っていうか魅力だよなーって、豹變王は思う
鼓翼の成長を楽しみにして訪れる
中天の王が少年王※見た目は※であるのは、人々の希望の光そのものであったからかもしれない※大人になってからの伝承がほとんどないので※
だから、その希望を見に、人は何度でも足を運びたくなるのかもだ
麺とスープと出汁がやっぱ旨いよなー
トッピングはあっさりしてるけどラーメン全体にコクがあるよな
結局二軒を梯子して、店を出てから感想を言い合う
店内ではひたすら無言※食べに集中※
横髪を止めるヘアピンは持参して、汗を気にせずにズルズルすする※男らしい※
スープは全部を飲めなかったけれど、具は全てきれいにさらってご馳走様をする
値段に関しては見ない
鼓翼は、うーんと考える
食べ歩きを楽しんでいるというよりも、ラーメン作りにハマっているといった印象だ
行ってきた店には何回か訪れているらしく、常連ではないが初めてでもなかったようだ
「新メニューでも考えてんのか?」
適当に水を差し向けると
「ラーメンに限らずだけど、その道のプロには敵わない」
一刀入魂の技に素人が太刀打ちできるはずがないと、鼓翼は強く断言する※当たり前だけど※
けど、独自の良さを追求することはできると
それこそ、賄いだけど旨い…みたいなレベルより頭一つ分飛び出したくらいの料理にしかならないけれど※実際は三つくらい飛び出してるけど※
「なら、単なる趣味ってとこか」
ラーメンうまいしなー※豹變王はよく喋る※
鼓翼はちょっとはにかむように微笑して、それから言った
龍飛王に食べてもらいたくて
龍飛王とは外食をするし、鼓翼に食べさせたいものがあれば先に連絡を入れておいてから車で鼓翼を連れて行く
高級料理店やバーの時もあれば、めっちゃ辺境のお店のときもある※隠れ家店※
鼓翼が行ってみたいと言ったところにも事前に予約をして連れて行ってくれる
でも、店の前で並んでまで食べに行ったことはない
誘ってやりゃいいじゃねえか、って豹變王が言ったら
あそこは夕方までしかやってないんだよなぁ、って返された
「じゃ、昼間に誘って行ってこいよ」
二人で
「留守番はしててやるから」
ラーメン屋に行くくらいで運転手は要らねーだろって
そう言ったら、鼓翼は何を想像したのか、頬を熱くして照れ笑いをした
龍飛王との普通のデートを想像して照れる中天の王でした(笑)
豹虎のヘアピンは自前…!!
龍飛王の分もヘアピンを買わなきゃな、と鼓翼は思っていそう…※貸してあげればいいのでは?※
ちなみにかなり高級な中華屋さんとかで、龍飛王と一緒に中華そばとか焼きそばを食べたことはあります
とにかく龍飛王は鼓翼が惚れちゃうくらい食いっぷりが良い…らしい…!
ヘアピンがなくてもきれいに食べられる龍飛王を想像してしまう…
亀兆王とは屋台でも赤提灯でも何でも行きそうなんだけどね…高級スーツ姿で(笑)
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