オリジナル【四人の王】妄想より
龍飛王×鼓翼
夏のおでかけ
視界に入るだけでそれとわかる
二度見しなくても、誰もが一様に把握できるレベルの美形
それが、鼓翼の生みの親※王だから※の虎嘯王だった
誰が見ても、お、マブい!※古語※…と認識できるだけの存在感と確たる造形に加えて
めっちゃやたらと意志が強そうな逞しい眉、鋭い眼光、強い目元、高い鼻、彫りの深い容貌
なのになんか色っぽさのある厚めの唇
きわめつけは、常に苦悩していそうな眉間の皺※癖※
それが王の中で最も人気が高いと言われる※民間伝承※、世界の始まりに生まれた五番目の王・虎嘯王だった
何をやっても…何にもしていなくてもめっちゃ目立つから、周りからめっちゃ見られてるんだけど※隠し見も含めて※、本人は全く気づいていないという天然無欠の王だった※褒めてない(笑)※
勇武の王・武の王と持て囃された虎嘯王が周囲の目線ごときにキョドるわけがないのは王として当然だったが、友人の豹變王などは虎嘯王が単に天然で鈍感だと解釈している※真理※
とはいえ、虎嘯王自身にはそれでなんら問題はないと考えているので至極平和なものだった
なぜなら、勇武の王である火力全振りの虎嘯王と一戦を交えたいと願う輩は、悉く地面に平伏すことになるからだ
そんな大モテの虎嘯王に万年恋しちゃっているのが、創世の王・創始の王
すべての理の始まりにして万物の元を創ったと言われる、鳳舞王
当人の見た目は決して目立つものではないけれど、その存在感は並々ならない※今は鵬翼がないから派手ではないが※
ぶっちゃけ、鼓翼が目を奪われてのぼせちゃうくらい、鬱蒼として静謐たる佇まいの中に隠れた色気があるのは龍飛王で、鳳舞王の方はといえば、結構並…というか、並
牛丼の並盛りレベルとは言わないけれど、特上とまでは行かない、いい塩梅に収まった感じの見た目だった
とはいえ、何が一番ものすごいのかと言って、趣味趣向や好悪や善悪、あらゆる評価で下※げ※と評せない何か凄いものを持っていることそのもので
虎嘯王や鼓翼から言わせれば、それが鳳舞王の持つ並々ならないバランス力で、是非の判断を余人が下せない圧倒的な存在感を固持していた
良いとか悪いとかの判断を下せないほどのプレッシャーというか、ただ唯々諾々と従わなければならないくらいの威圧感が、鳳舞王という存在そのものにはあった
言葉を交わさなくても、同じ空気を吸わなくても
すでに上に立つ側が決まっているというか
とりあえず敵に回すな、という暗黙の了解事項が、鳳舞王という存在そのものの前に成約されているような既視感があった
まあ、要するに鼓翼の両親なんですけどね…!
子として二人の才能や技量を認めながらも
コンプレックスと誇りがちょっと一緒くたになったような、ある意味個性的な※王だから※二親だった
虎嘯王はバカンス先の朝市で、一枚だけポストカードを買ってね
店員にも歩行者にもジロジロと見られているんだけど※フードで顔を隠さないと元々目立つ※、気にした風もなく、なんか口元にうっすらと笑みを刷いてて※眉間には皺※
鳳舞王はそんな虎嘯王に気がついていたので、ごく自然にその側へ近づいた
その指を拾ってさり気なく手を握るのを忘れずに※ラブい※
「鼓翼にか…?」
ある意味確信のある問いかけだった
「暑中見舞いを兼ねて送ってもいいだろう」
鳳舞王は予想通りだったのか、虎嘯王の答を聞いて、薄く笑ってさ
まったく違和感を与えない仕草でそっと耳と頬の間の肌に軽く口づけた
夫婦だから※子持ちだし※、鼓翼みたいには照れないぞっと!(笑)
虎嘯王はそれが鳳舞王の了承だと解釈して、適当なテラスを選んで腰掛けたら、今時珍しいアナログな手帳にくっ付けた筆記用具を取り出した
虎嘯王は意外と文房具とか昔から凝ってそう
そこもなんか、ガチの親友の亀兆王と嗜好が合ってたりしてね
わが子に宛てた文章を一通り書いてから、鳳舞王に手渡した
自分が使った筆記具といっしょに
「……………」
鳳舞王は暫し黙考して、それからすらりとスマートな動作で一筆したためたよね
めっちゃ不自然ではない動きで、見惚れる暇さえ与えずに
それは旅行先の現地の言葉だったので、虎嘯王にはよくわからなかったけれど※虎嘯王の頭脳は並※
「元気でやっているならそれでいい」
鳳舞王が鼓翼に対する思いは、常にこの一言だから
鳳舞王が一番鼓翼のことを考えているんだけど、家族だからと世話を焼いて回るのが虎嘯王、…という感じ
虎嘯王は根っからの虎親ですな※本編では一応息子と娘もいたので※
てことで今日は豹變王とお出かけをした、鼓翼
鼓翼は両親共々、超アウトドア派!※鳳舞王も虎嘯王も旅行好きだしアウトドア※
豹變王はそうでもないけど、楽しむ時は楽しむ
龍飛王は超インドア派だけど、鼓翼が強請ればどこにでも連れて行ってくれる※保護者※
龍飛王とは後で約束があるから、豹變王に遊ぼうぜーって言って、うちから連れ出した
豹變王とデートをするのは以前からだけど、必ず龍飛王にそれ以上のサービスをすると心に決めているので、鼓翼の表情はめっちゃ明るい
龍飛王には前以て伝えているし、豹變王とのデートの許可もきちんともらっている※えらい※
豹變王もそれを知っているし、元々そんなこと※浮気(笑)※は気にならないし、二人は意気投合した…!
似た者?、豹虎…!
でもどんなサービスをするんだよ?※龍飛王に※、って豹變王に尋ねられて、鼓翼は「うっ」って返答に詰まった(笑)
豹變王はニカッと口だけで笑って、まー、頑張れよって言った
がんばれと言われて、ナニをどうがんばればいいのか、更に鼓翼は返事に困ったけれど、ああ、って男らしく、帝らしく、静かな笑みを口の端に称えて応えた
そういうところが中天の王らしくて、豹變王の機嫌のバロメーターはぐいっと上向いた
「んじゃまあ、新機種漁りから手っ取り早く行こうぜ」
ゲームセンターを梯子して、めちゃんこじゃれて遊んだ二人だった(笑)
龍飛王といる時はジャンク・フードを食べないけれど、豹變王とは色んなものを食べたり飲んだりする
食べ歩きもする
まさに年相応の遊び相手といった感じで、兄弟のような親子のような、恋人同士みたいな…というのは豹變王の側だけだろうけれど、そんな交流をする豹虎
虎嘯王は豹變王にノーガードだけど、鼓翼はちゃんと豹變王には大人の対応をする
龍飛王にわるいから、とかいう後ろめたい気持ちからではなく、好きな奴がいるからって態度でも言葉でも示す
実際に事実だし…!
それにノーガードと言っても、虎嘯王の豹變王に対する態度は無関心に近いので、それはそれで問題がありそうだけれども
といっても、そんなことをものともせずに豹變王は虎嘯王にじゃれつくんだけどね…!
鼓翼は豹變王と虎嘯王の直接のやり取りはちっちゃい頃に見た記憶しかなかったけれど、豹變王はその時はかなり紳士的だったイメージがあるので、なんか想像がつかない※ちっこい鼓翼がいたから大人な対応だった(笑)※
虎嘯王を口説いて、口説き落としたくて振られたらしいが※想像※、虎嘯王は息子の鼓翼から見ても型にはまって固まりすぎたような堅物なので、頑として傾かなかったんだろうなと思う
そうだと断言できる理由と言えば
虎嘯王が鳳舞王に惚れているというか、全幅の信頼を寄せているからだと思う
鳳舞王は鳳舞王で虎嘯王に万年恋しているので※それ以外に形容できない※、あの二人の間には他の誰にも入り込めない世界ができあがっているのだと感じている
子の自分でさえも
なので、豹變王にはちょっと同情気味の鼓翼だった
それを直接言葉にしたことはないけれど、豹變王のことだから鼓翼の考えていることなど全部お見通しだと思う
鼓翼も特段隠そうとは思っていない
自身の片親を今も常に想っている相手を、慰めて諭す言葉も見つからなかった
偽る姿ならなおのこと
「いつまでも変わらない想いってのはあるからなぁ」
って豹變王は言う
未練と言えばそうだけど、どうしても根っこの部分で惹かれたまま、その根源の部分で形が変わらない想いはあるのだと
鼓翼にはよくわからなかったけれど、それが豹變王の恋なんだろうなと思った
鼓翼に斟酌されていることを知っていても、豹變王の態度は変わらないし、良き友人で遊び相手で相談相手で
時に困った子どもみたいなわがままも言うけど、鼓翼はやっぱり豹變王をきらいにはなれなかった
というか、鼓翼が認めるくらいの全面全身全部位がイケメンだし(笑)
虎嘯王のことを美男子だと思ったことはないけれど※親なので※、豹變王はイケ男で声も仕草も体格も身長も性格も会話も物腰もすべてイケているから、二人が並ぶとまた両親とは違った意味で目立っただろうなと思う
虎嘯王は寡黙だけど、評判の美男だし
鼓翼の想像通り、もちろん目立ちはしたけれど、豹變王の虎嘯王を独占したいという見え見えであからさまなスキンシップが主で、誰も二人には近づかなかったというのは余談で(笑)
虎嘯王はただひたすらノーガードで相手にしなかったけども!(笑)
「帰りはジム※道場※寄ってっから」
鼓翼に断りを入れて、タクシーを拾う
龍飛王と楽しんでこいよ、と豹變王は軽くかっこよく鼓翼にウインクをして、豹虎のデートはお開きとなった
鼓翼が豹變王を見送ってから取り出した端末に声をかけると高級車がすぐに横脇についてさ
同乗していた龍飛王といっしょにデート・スポットとしても有名な展望台の景色を見に行った
きっちりと龍飛王とその運転手に見守られていた鼓翼だった(笑)
鼓翼は龍飛王の腕を取って組んでくっ付いてさー
豹變王に対するのとは完全に次元の違う甘え方になる
そもそも鼓翼は豹變王に、というか、他人には甘えないし…!
親の鳳舞王たちにだって、鼓翼は甘えたことがない
それは鼓翼の遠慮であり、プライドでもあったんだけど、龍飛王は別格で
龍飛王だけは、鼓翼が自分をある程度は委ねていい存在だと認識しているのかもしれない
当然甘えると言っても、フィフティーフィフティー以上に鼓翼が頑張らなきゃいけないと思っていたし、龍飛王を守らねばと思っていたし
龍飛王の平穏と
美味しく豊かな食生活を続けさせることに全力を尽くすことを鼓翼は信条としていた
むしろ好きでやってた!
ご飯作りは大好きだし!!
それよりも何よりも今は龍飛王のことが好きなので、鼓翼はたまにエロ方面では極端に狼狽えながらも※照れ※、守るべきものとして龍飛王の存在を見ていたよね
守られているのは自分の方だっていう自覚はありつつも
龍飛王は別段鼓翼にエッチ以上のことを求めなかったけど※ご飯もえっちと同じなので※、鼓翼が自由に自分の側で羽ばたいているのが好もしいというか、普通だなと思っていたと思う
当然だと思うことは、知の王としては破格の、稀有なことで
真理があるべき本来の姿であるということを鑑みると、やっぱり鼓翼とこうしていることが普通で普遍なことだと考えた
好きだという感情は、創世の王である鳳舞王と龍飛王には存在しない
焦がれるという思いは鳳舞王にはある
けれど龍飛王には真理に繋がる知識と智慧があっても感情はない
両者に感情はないけれど、それでも欲するものがあった
そしてそれを手に入れた
向こうから飛び込んできたとも言えるけど、それそのものが彼らにとっての真実と言えたのかもしれない
創世の王なんだけど
分かたれた相容れない存在なんだけど
互いに独りにはなれなかった
鳳舞王は虎嘯王を得て
龍飛王は鼓翼を手に入れた
鼓翼は龍飛王に懐いたけれど、それも本当のところは、鼓翼自身が龍飛王を望み、選んだからだ
龍飛王が王として闇として体現する知識にしろ智慧にしろ真理にしろ
鼓翼が欲したものが龍飛王だったからこそ
龍飛王は鼓翼を手に入れた
好きだ、と鼓翼は龍飛王に言うけれど、龍飛王は感情がないのでその言葉を返すことも発することもない
でも、鼓翼がくっ付いてきて、ぎゅっと体を寄せてきたら、体をこちらからも寄せることができる
鳳舞王のようにごく自然に腰に手を回したり、肩を抱き寄せたりとかはしない
その代わり、鼓翼が中天の帝としての一種の誇り高さとともに、龍飛王に手を伸ばす
捕まえて、触れて、ニコッと笑う
目で口で、大きくて広い感情をあらわにする
それだけで、龍飛王と通じ合えた
まだ足りないと鼓翼が言うなら、二人の愛の巣への帰りを待たずに体の奥の奥にまで教え込むだけだし(笑)
ぎょえええーーーって鼓翼は、エロいことに関しては、真っ赤になって全身で照れるのだろうけれど、そっち※エロすること※の方が龍飛王にとっては真理だし、鼓翼にしか生殖したくないのが実際の、まごうことなき真実だった
だから、二人はめっちゃラブラブだった
鳳舞王と虎嘯王の完全夫婦※すごいな※とは別の意味で、同志のような…でもエロしたいのはおまえだけ、みたいな、なんかすんごい絆があった※すごいのか?※
鼓翼が笑って、照れて、照れながらも生真面目に言うんだよね
好きだ、って
龍飛王は無感動無表情のままでそれを見返して
見つめ返して
鼓翼をマジ照れさせて
そして相変わらず立派な仕立てのスーツ※私服※の正面から
鼓翼をそっと包みこんだ
抱っこが好きな龍と、ご飯作りが大好きな仔虎の二人でした
帰ったら、止まらなかったよね※ナニが!??※…
仲良し龍虎…!!!
オチがないまま、終わるー!!
四人の王妄想の夏は、アチアチです…!!
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