『現代版妄想』は、いよいよ佳境へ…!
DLsiteさんで本日、龍飛王×鼓翼編を作品化した裏本のファイナルとなる『【裏本・創始の闇】四人の王〜王たちの蜜月〜』の予告を掲載していただきました…!ただいま公開中です…!
https://www.dlsite.com/bl/announce/=/product_id/RJ01136619.html
どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m
体験版ムービーも、カラー絵が完成し次第、公開させていただきます…!
年末年始のDLsiteさんのお休みを挟みますので、しばらくお待ちください…!
現代版妄想・49
ドアを開けるなり、とんでもないイケメンが白い歯を見せて会心の笑みを浮かべていたので、鼓翼はビビった(笑)
一番目に到着したのは、やはり豹變王で、鼓翼のために駆けつけてくれたことは一目瞭然だった。
正装して、しかも髪も眉も何もかもがきっちりと整ってて決まりすぎている。
どこかの結婚式場から抜け出した新郎かな?、と誤解されても良いくらいの男振りだったが、相手がいないのでなんだか気の毒になりつつ。※つらい※
それでも鼓翼は度肝を抜かされたので、豹變王にとってはそれで及第点を取ったようなものだろう。
本当は花でも買おうと思ったが、どうせお祝いで龍飛王の関係各社から生花を大量に受け取ることになるだろうと踏んで、豹變王は鼓翼が店や私生活で使えないかと何点かエプロンを選んで買ったらしく、綺麗にラッピングしてもらった箱を手渡した。
かなり吟味したようで、ブランドものではなく、デザインの良い、凝りすぎていない実用的なものらしい。
その、変に気取っていないところが豹變王らしいなと思いながら、鼓翼は素直に厚意を受け止めた。
早速、豹變王を席に案内する。
豹變王の席はカウンター席で、鼓翼が料理する姿がちょうどよく見える特等席だ。
鼓翼は豹變王がプレゼントしてくれたエプロンをすぐに身につけたので、贈り主を大層喜ばせた。
豹變王は余計なことはせず、招かれた客として席に座っていた。
邪魔にならぬよう、スマホの電源を切ろうとしたようだがどうやらそこに着信があったようだ。
虎嘯王たちが今こちらに向かっていると告げる。
鼓翼はギリギリまで料理等の準備をしていたので、鳳舞王たちの連絡に気づかなかったようだ。
時間的にディナーではないので軽食にしたのだが、それでも鼓翼はみんなのために手間をかけたかった。
出すものはパンとシチューとお菓子とお茶だけだけれど、すべて手作りしたし、具材も思案した末にたくさん使った。創作料理に近いけれど、多国籍でもある。
量が少ない分、アイディアを総動員した。
食器も凝った。客毎に合わせて選んだし、テーブル・コーディネートもフラワー・アレンジメントもめっちゃ勉強した。
鼓翼は本当に努力の王だった(笑)
「あんまり気を張らなくていいんだぜ…?」
豹變王は鼓翼の頑張りを労ったが、鼓翼はこれは自分がしたいと望んだことだから、と言った。
カウンター席の前は調理できる場になっている。
厨房や冷蔵庫は裏にあるが、目の前で作りたてを提供できるようにしてある。
コースをすべて自身一人で作り上げるので※お菓子は事前に作って冷やしておくけど※、めっちゃ忙しい。給仕を雇うことも考えたけれど、大勢の客を相手にするわけではないのでまだ具体的には考えていない。
とにかくゆったりとした時間を、この隠れ家のような場所で過ごしてほしかった。
鼓翼には言っていないけれど、豹變王は前以て虎嘯王から鳳舞王と龍飛王の因縁については聞かされていたようで、聞くなり、うへえ、と感想を漏らしていたりした。※叔父×甥にもびっくりした※
あの変わり者にしてあの兄弟ありかよ、とは、本音をぶっちゃけたので虎嘯王は怒りはしなかったけど、豹變王の正直な反応には苦笑を浮かべていたようだ。
ということなので、両者が険悪なムードになった場合は頼むぞ、とは虎嘯王から言われていた(笑)
突然修羅場に遭遇しても狼狽えるなよ、という意味で。
まあ、そんなものを目の当たりにしたところで豹變王が真っ青になるわけがないと分かった上での言だったが。※飄々としているので豹變王自体が物事にあんまり動じない※
ただ、豹變王が来た時には天気は良かったのだけれど、暫くしてから空模様が大分怪しくなってきた。
こりゃ、なんか来るなぁ、って、豹變王は思ったけど言わなかった。※中央の王の勘※
冬至は過ぎているけれど、空が少し薄暗くなってきた頃に、鳳舞王たちが到着した。
空港から直接出向いたようだが、手荷物はホテルへ先に送り届けていたようだ。
鳳舞王が着くなり、突如として日が差して、あー、南の王だからな、と思ったのは豹變王くらいだったのでは。※豹變王には記憶があるんだ?※
南の王は晴れ男だし。
冬だし、時刻的に日は傾いているんだけど、陽の光で、ぱあっと店の中まで明るくなった気がした。
鳳舞王はマフラーをコートの中に付けてて、でも着膨れしないで、すごくシュッとした見た目だった。
久しぶりに生で見たけど、やっぱり存在感というかオーラがすごい。外見は全然飛び抜けたところはないのに、細身なのに貫禄がある。
全体的なバランス力が、男振りがいい豹變王にまさっている、とまで思わしめる姿態が、めっちゃインパクトがあって凄かった。
隣にいる虎嘯王※手を繋いでた(笑)※はこどもを産んだ後でも前でも見るからにキリッとした目鼻立ちが特に優れた美男子だし、うちの両親は二人が一緒にいるとやたらと目立つなぁ…、と鼓翼は改めて思った。
実際に空気が一段も二段も華やぐんだろうね。
豹變王は一人でも世界を作るけど、鳳舞王と虎嘯王は南の王と西の王で互いに不可侵のはずなのに、めっちゃ双方が成り立っている感じなんだと思う。
好き合っているからこそ両雄並び立っているんだろうけど。※要するに、別々でありながら和合している。エッチ的な意味でも※
虎嘯王は鳳舞王と二人で並んで、招いてくれた鼓翼に挨拶をしてから、お祝いの品を渡した。
中身は写真を入れるフレームらしく、今時珍しいアナログのものだ。
邪魔にならないようにと、やはり華美でも大きすぎるものでもない、けれど抜群にセンスの良いものを選んだようだ。※案は虎嘯王で見立ては鳳舞王かも※
店に飾るような絵画とか置物とか花瓶とか皿じゃないのが、本当に鼓翼のことを思って選んでくれた、身内からのプレゼントのような気がした。
店を眺めてから鳳舞王は鼓翼に、望むようにやれ、と言った。
それだけだった。
その一言で、みんな認めて全部許してもらったんだと鼓翼は解釈した。
龍飛王のことも訊きたかったけれど、鳳舞王から先手を制された形になる。
虎嘯王がうまく取り持ってくれたのかな※エロでね!※と想像すると、鼓翼は虎嘯王に感謝しなくちゃな、って思った。
虎嘯王は鳳舞王の隣で少し穏やかに目を細めてたんだけど、豹變王が自分に向けてウィンクをしているのを見つけて瞑目した(笑)
豹變王、虎嘯王へのアプローチが露骨すぎる…!
鳳舞王は虎嘯王の肩をぎゅっと抱き寄せて※牽制※、用意された西側の窓際の席についた。
一応、鳳舞王たちが食事をする位置は龍飛王たちとは真逆で、豹變王のいる中央のカウンター席を挟んで、西と東に分けることにした。
会食ではないし、全員が同じテーブルにつく必要がないからだ。
椅子の位置も客の目線が合わないよう配慮している。※3組を別個のお客として配置した※
やがて、雲が増え、空が黒ずんで、寒雷の音が店の中にも聞こえるくらいになった。
雪も雨も降らず、雷だけが徐々にこちらに近づきながら激しく鳴っていた。
何かが近づいてくることを示唆するように。
つづく…!
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