最近仲の良い虎の親子です…!
ほほえましいというか、虎嘯王は本当に本編の『四人の王』では親だったので…と思いつつ二人のやり取りの光景を想像しながら書きました。
現代版妄想・45
入国初日の昼から夕方にかけて、是非食事をご馳走したいと。
鼓翼は満を持して、虎嘯王に連絡を入れた。
鳳舞王に直接頼むことも考えた。
けれど自分の今の状況の仔細について虎嘯王に早く知らせたかったし、もしかすると良い案を提示してくれるかもしれないという淡い期待もあった。
豹變王にはすでに声をかけて、出席するとの返事を得ている。
年末の忙しい時期だと思ったけれど、鼓翼が希望した日時であれば恋人たちのイベントも済んだ後だし※豹變王は永遠のフリーマンだけど※、中途半端な日だからいいぜ、と言ってくれた。
快諾というほど即決ではなかったのは、豹變王にも思うところがあったのだろう。
来国する虎嘯王たちも同席することは告げてある。
実現すればの話だが。
鼓翼が請け負う店のオープン・イベントというには少し早いけれど、どうしても鼓翼はこれまでお世話になった人たち※王だけど※に手料理を振る舞いたかった。
これまで自身が学んで身につけた技術を披露したかったのも理由としてあるし、成長に関わってくれた恩を返す意味もある。
亀兆王にも声をかけた。
もちろん、店のオーナーである龍飛王にも来てもらう。※仕事はその日もあったけれど※
亀兆王には、何がなんでも龍飛王を予定の時刻に間に合わせてくれと頼み込んだ(笑)
あとは、両親を招くことに成功すれば、鼓翼の宿願※そこまで大きくはないけど※を果たすことができる。
鼓翼が切り盛りするお店※龍飛王が持ち主だけど※で、伝説上のすべての王が一堂に会するかも!?、という、ものすごい場面が現代版妄想で初めて実現するかもしれない。
それもこれも、全ては虎嘯王次第だが…!
「わかった」
本当に!?、って、鼓翼は思わず聞き返したかったよね。
何の質問も懸念もなく、西の王はその名に恥じず、堂々とした態度で言うんだもん。
鳳舞王は豹變王と仲が良くない※虎嘯王を奪い合った仲だし※のでは?、って真っ先にそのことが鼓翼の心配事としてあったから。
「おまえの店に招かれたんだ」
わが子の招きに応じない親はいないだろう、って、すごく虎親っぽいことを言った。
…虎嘯王は本編の【四人の王】では息子と娘を持っていたからね…。血の繋がりは本来はない、力の発現としての眷族ではあるけど…
いい父親だったんだなと思いつつ、虎親の虎嘯王を書きながら眺めてます。
現代版妄想の虎嘯王は、鼓翼ひとりだけの親だけど。
本編で息子のこうかやしんとうにとっては誇るべき父だったんだろうなと思うと、何だかしんみりしてしまう。
その後、鳳舞王に鼓翼を見事に孕まされたけど(笑)
それは本編でのことなので、という余談でした…! ※詳しくは【裏本・創世】に書いてあります!※
話を戻します!
鳳舞王のことは任せておけと、虎嘯王はすごく神妙で、でも少し嬉しそうな顔をして言った。
鼓翼は龍飛王を好きになってからというもの、実は虎嘯王のことを何度も見直していたりした。
無口で真面目な虎嘯王のことは、最初は苦手だったんだけど。
家族の前でもオープンだった二人のエロに関しては見習えないけれど(笑)、子を思う親としてすごく頼りになると感じたからだ。
親は子の味方なんだ、っていうのが、言葉や態度からも伝わってくる。
しかし、鼓翼の嬉しそうな顔は長続きしなかった。
虎嘯王がつと、その表情を引き締めたからだ。
マジ・モードだって気づいて、鼓翼は反射的に怪訝な顔になる。
虎嘯王が説教モードになった時は、かなり警戒しなければならないからだ。※虎嘯王が生真面目な性格ゆえに※
「隠していても仕方がないことなので言うが」
前以ておまえには伝えておく、と虎嘯王としては珍しく、回りくどい言い方をした。
鼓翼は、なんだろう?、と内心で首をかしげる。
ストレートに物言わぬ虎嘯王など、生まれて初めて見たからだ。
「おまえが付き合っている相手のことだ」
「…………」
虎嘯王は云い澱まなかったよね。勇武の王だし。
なので、はっきりと端的に鼓翼に告げた。
龍飛王はおまえの叔父だと。
鼓翼は思わず持っていた端末を床に落とした。
つづくぅ!
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[現代版妄想](ファイナル)【裏本・創始の闇】四人の王〜王たちの蜜月〜
【本編】四人の王・秘史〜鳳舞王・王たちの蜜月〜
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