仲が深まったらしい、龍飛王×鼓翼。
鳳舞王×虎嘯王に比べると亀の歩みの二人ですが、のんびりとお付き合いください…!
頭の中でラストの情景は大体決まった感じですがまだ続きます。
新作作成もがんばります…!
現代版妄想・28
金持ちの道楽じゃねぇなー。
…というのが、鼓翼の第一印象だった。※道楽の範疇を超えてるという意味※
龍飛王が住んでいる※借りている※マンションの一階というか0.5階くらいの位置に、内装工事中の敷地がある。
元々は小規模なコンビニが入っていたのだけれど、龍飛王が個人で買い上げたらしい。※すごい※
そこで鼓翼に店を持たせるのだという。
亀兆王の口から先に聞いていたので、最初はマジかよ、と翠の目をまん丸にして驚いたけれど、的確な説明とアドバイスを彼女から受けて、鼓翼はわかったと最終的には承諾した。
仮に自身が引き受けて、開店できない、または採算が合わなかった場合はどうする?、罰ゲームでも用意するか?、って鼓翼は後から合流した龍飛王※やっぱり今日も仕事だった※に向かって笑わずに尋ねたんだよね。
龍飛王は、そうだな、って考えてから、面白くもなさそうに、「一ヶ月点滴生活」と放言した。
飯を食べずに点滴の栄養だけで生きながらえろと。
こわいわ!、とは思ったけど、鼓翼は、そうはならないだろうな、って普通に考えた。
絶対に実利を出す。そう決めたから。
「オープンまで半年もあれば十分か?」
龍飛王の問いに、鼓翼は少し眉をひそめたけれど※未経験なので長短の判断ができなかった※、いいぜって言った。
龍飛王の元で、龍飛王の期待に応える。
正確には自分の野心もあったから、実際には龍飛王の期待とは全く異なっていると思ったけれど。
なんで龍飛王がここまでのことをしてくれるのかについて、疑問を抱かなかったことはないけれど、パトロンとしてというよりも、純粋に金持ちの道楽でもなんでも、鼓翼の手腕を見たいだけのような気もするし、もしかしたら本当に自分のためだったのかもしれない。
気が向いた時に鼓翼のいる店に顔を出して、店員と客の間柄で話をしたり※龍飛王は無言※食事をしたいのかもしれない。
じゃなきゃ、わざわざ住居と同じ建物の中に店を作ろうと思うだろうか。
駅から近い立地だし、ここに店舗を持つ意味は確かにある。周囲にはマンションが多いので、どちらかというと隠れ家的な雰囲気になるだろうか。
完全予約制がいいな、と鼓翼は思った。
時間制で、1組の客だけを相手に料理を振る舞いたい。※とすると、昼と夜の部だけになるのかな?※
だとしたら値段が張るコース料理を提供しなければならないし、客層も絞らなければならない。
そもそも開店するまでには資格をたんまり取らなきゃならないし、上質で良質な食材等の仕入れ先の伝手も探さなければならなくなる。
そういうことは亀兆王が補佐してくれるそうだが、鼓翼は全く楽観視はせず、覚悟を決めた。
で、鼓翼はそれと同時に考えたんだよね。
「契約を破棄したい」
鼓翼は、雇用を辞退させてくれと、雇用主の龍飛王に言った。
龍飛王のマンションの部屋で、リビングの対面ソファに座ったまま相手を見据えて言ったよね。※中天の帝モード※
つまり、この一緒に暮らす契約生活を終わりにしたいと。
龍飛王は微動だにせずに訊いた。
「収入はどうする?」
開店までの準備をするには資金がいるし、それを借りる当てはあるのかと問われる。
店自体の費用は龍飛王が私的に負担するが、鼓翼自身にも先々で投資が必要になるからだ。
ないけど…、と鼓翼は言い淀んだ。
予想通り、龍飛王に鼻で笑われ、解雇はしないと宣言された。
「じゃあ、残業手当だけはやめてくれよ」
龍飛王との朝晩のセッ伏字のことだ。
それには流石に、龍飛王も眉が動いた。※不快で?※
「なぜだ」
端的に尋ねられて、うーん、って、鼓翼は素直に困惑を示した。
龍飛王と違って、表情がころころと変わる、鼓翼。
「だって、仕事じゃないし…」
「…………」
「…………」
「…………」
なんだかやたらと長い沈黙だった(笑)
つまり、お給金をいただかずに、無料ご奉仕の優待サービスでえっちに付き合ってくれるってこと!?(笑)
どどどどど、どうしよう。
鼓翼から告られているのか、これは!! 要するに!?
善意でセッ伏字しようぜ、って!??
龍飛王はそんな動揺、しないと思うけども!!!
やっとのことで家全体を支配した妙な静寂を破ったのは、同じく、静かすぎる男の声。
「わかった」
これからは口説く、と宣戦布告されて、それもなぁ〜、って言って、鼓翼は頭をかいて照れた。※かわいい(笑)※
龍飛王の食事を毎日作って※お仕事※、休みの日は豹變王のところへ出向いて鼓翼はボランティアで出張家政婦さんをする。
作り置きをいっぱい作って※豹變王はどれだけ作っても綺麗に完食しちゃう※、また龍飛王のところに戻る。勉強するために。
最初はオンライン講師と契約するか独学で資格試験の準備をしようかと思い悩んだんだけど、龍飛王がやっぱり天才過ぎて、亀兆王も両手で足りないくらい資格免許を持ってるんだけど※国内外の※、その上をさらに行くのが龍飛王で、事実そこら辺の専門家より知己に富んでた。
龍飛王はやっぱり、やばいレベルでやばい性能を持った教育者で知識の王だった。
でも鼓翼は優秀な生徒だったから、龍飛王の話を聞いて全部飲み込んでさ。全く逡巡なく龍飛王が示したゴールにたどり着くんだよね。
亀兆王以外でそんな頭の奴はいないので、龍飛王は表には出さなかったけど、かなり満足していたみたいだ。
ソファで隣に腰掛けて、画面を見ながら鼓翼は龍飛王の話を聞く。電子メモを取りながら貪欲に鼓翼は知恵と技術を身につけた。
龍飛王は背もたれに悠々と背中を預けたまま、でも話す言葉はしっかりとして※折角の休日なのに※鼓翼に高弁を垂れてた。
龍飛王のおかげで、まったく一分の隙もないほど、鼓翼は無駄のない余暇を過ごすことができた。
勇武の虎嘯王なら頭がパンクするような情報量なんだけど※鳳舞王は捌ける※、鼓翼は全然そんなことはなくて、むしろまだ他にあるのかな、とさえ思った。
好奇心と探究心が他の王よりも強かったのかもしれない。※あとはやはり前に進もうとする野心がある※
でも、さすがに詰め込みすぎても机上の空論になるだけだということで、龍飛王はきちんとペース配分を弁えて、やめるときはきちんとやめた。
大体、龍飛王にとっても休みの日なのに、鼓翼のために長時間休まず講義をしているのだから何の得もない。鼓翼はそれに気づいたので、龍飛王を休憩させようと思った。
二人分の飲み物をでっかい冷蔵庫から取ってきて、居間のローテーブルの上に置く。
すると手首を掴まれて、龍飛王の腕の中に抱き込まれた。
びっくりしたけど、鼓翼は龍飛王の体調の方が心配だったので、大人しくその体の下になった。
冷たい蒼黒い髪が喉元に落ちてきて、胸元に龍飛王の頭部が触れる。
すんごい知識量を詰めた頭なんだよなと思いながら、鼓翼はそのまま抵抗をせずにいた。
龍飛王は実は※ヒビがそうなんだけど※女顔で、でも骨格が男性なのでよく見るとすごい美形だった。でも普段から目を細めていて不機嫌そうだし、冷たい雰囲気で威圧感もありまくりだったから、誰もそうとは気づかない。
本人にとっても亀兆王にとっても外見なんてどうでもいい。
鼓翼も龍飛王がイケメンだと思ったことはない。それくらい、静謐で昏く密やかな美貌だった。
でも、今は鼓翼の上でちょっと安らかになってたみたいで、なんか色気があるなぁ、雰囲気があるなぁって、鼓翼は思った。※鼓翼はヒビの顔も好きだし※
そしたらなんか、この状況がすごいことみたいに思えて、鼓翼は狼狽した。
やばいって思って※なんで?※、らしくもなく、なんかキョドった。
いつもの鼓翼はちょっぴりすれてて、割と内面はクールな少年なんだけど…!
長椅子の上で押し倒されたまま、びくびくって上体が鼓翼の意に反して大きく震えたもんだから、当たり前のように龍飛王に気づかれた(笑)
龍飛王はちょっと鼓翼の上で眠っていたのかもしれないけど、半目になって※いつもまつ毛が長くて細目に見える※顔を上げたよね。
そしたら、鼓翼の顔が赤く染まっていたから、閉口したよね。
心音もなぜか早くなってて、知の王だから鼓翼が赤面した理由が正確にわかっちゃった(笑)聡すぎる…!
だ、だめだ、って鼓翼が言おうとするよりも先に、龍飛王は鼓翼の首に舌を這わせてセッ伏字するぞって意思を表現した。
濡れた感触が鎖骨まで這って伝って、服の裾から低温の指が忍び込んで胸の位置で淫靡に蠢く。
鼓翼は思わず熱い息を吐いて顔を背けた。
恥ずかしいっていう意識が表面に出て、欲情した龍飛王を直視できなくなった。
その理由は、自分も同じようになってたからなんだけど。
龍飛王は鼓翼の衝動を当然だと肯定するように、自分の着ていたスーツを脱いで※さっさと脱ぐ※、鼓翼の下も上も取り払った。
パンツとか靴下とか残してほしかったけど、龍飛王は意に介さずに手早く取り去っちゃったよね。むしろ、もたもたしている龍飛王を見たことがない。
ゴムもなしだし、ヤる時は手が早い(笑)
そして龍飛王の冷たい容貌が鼓翼に近づいて、観念して目を瞑ったその唇に龍飛王としては至極細心を払ったキスをした。
さあ、ヤるぞ!
次回の更新は18禁です…!!
両思いになった後だから色々書いてて楽しいな…!
つづく…!
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