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2023年12月04日

【四人の王】【妄想】【デート】その15

【四人の王】妄想です。
龍飛王×鼓翼が帰ってきました…!


現代版妄想・15


豹變王のうちの家財を増やしても維持や掃除が大変になるだろうなと考えて、鼓翼はあんまり物を買わなかった。
長い間、他人である豹變王の世話になるつもりはなかったし、もしかしたら単身で海外へ働きに行くかもしれない。二十歳になれば、いくらなんでも鳳舞王たちも完全な独立を認めてくれるだろう。そう考えた。

翌日から積極的にアポを取って、何件か面接の試験を受けに行った。
若過ぎると門前払いを喰らうこともあれば、電子の書類を見て試験を受けに来てほしいと望むところもあった。
勤めたいのは厨房のあるお店なので、色んなところを調べて足を運んでみた鼓翼。
で、結果として鼓翼が提示したかなり強引な条件を飲んでくれたのが、今勤めているお店。

テーブルを任せるまでの実力があるか否かは、実戦で証明した。
言葉には不自由しないし、多国籍相手にも慣れているし、礼儀作法も弁えている。
そしてやはり誰よりも鼓翼には度胸があり、肝が据わっていた。※親譲り(笑)※
なので、上の人間が実際に鼓翼の接客と料理の腕と働きっぷりを見て決断したらしい。異例とも言える採用だった。

でも鼓翼自身はなんら驕ることはなくて、年功序列なんてものは意に介さず、マイペースに働いた。
職場に親しい同僚は居らず、自身の仕事にだけに専念した。チップも個人の収入として貰えるし※職場には報告しなければならないが※、実力があれば固定客を確保できる。
当然サービス業はチームワークが不可欠だ。最低限の交流は行いつつも、鼓翼は自身が任されたテーブルは自分の島だと考えた。
雇い主の期待には応える、売上も考慮する、客の胃袋も掴む。腕が鳴る職場だった。

年若い腕利きのシェフ※?※の噂は鼓翼が知らないうちに結構広まっていたらしく、予約は早い段階で埋まった。
ただの興味本位で訪れる客もいたが、それは想定内。リピーターもいれば、一度だけの客も。多分店側が鼓翼のことを良い商材だと判断したのかも。
顧客の顔をどれも鼓翼は覚えていて、だからこそ指名が多かった。その中の一人に龍飛王がいた。

龍飛王も鼓翼の噂を聞いたのかな?、とは思うんだけど、聞いてやってきたというよりも、亀兆王が行ってみたいと思ったから予約を入れたのかもだ(笑)
亀兆王に弱い、龍飛王。自分が育てたかわいい娘だもんね。※本編では※


書いてて思ったのは、龍飛王は鼓翼を愛すのか?、も、そうなんだけど、豹變王は鼓翼を愛すのか?、という謎も現代版妄想ではありそう…!
現代版妄想で、本編ではなかった、まさかの三つ巴が繰り広げられるのか…!?


てことで、龍飛王と夜に会う約束をした鼓翼。

それでも少し考えたんだよね。
店の客とプライベートで会うべきなのか否か。仕事以外の場所でそうすることは正しい行いなのか。
作者的にはそれはやめた方がいいんじゃないかと思う。プライベートで会っても、職場に来たら店と客の間柄になるんだから結局はフェアな関係じゃない。でも、鼓翼には野心があった。そこに付け込まれなきゃいいがと思いつつ。

豹變王からは門限を言い渡されてはいないけれど、会うのは一時間だけだと鼓翼は最初に断りを入れておいた。
家人が心配するからだと言ったら、龍飛王は珍しく細い眉を持ち上げた。

「誰かと住んでいるのか?」

一人暮らしではない実家住みも特段珍しくはないだろう。
一応、血は繋がっていないが親戚みたいなものだと関係については濁したが、男はそれで納得したようだ。

鼓翼が店を出るときに龍飛王に教えてもらった番号に連絡をすると、通話の相手はものの数分でその場に姿を現した。
龍飛王が高級車の後ろから運転手にドアを開けさせて出てきた瞬間、鼓翼は引いた(笑)


龍飛王に対して、しょっちゅう引いている、中天の王(笑)
普通の家で育ったし、鳳舞王は自由人だし※仕事はそつなくこなすけど※、各国でもやっぱり庶民的な生活を送っていたから、鼓翼にとって金持ちとか階級違いの人間※王だけど※とかはあんまり好ましいものには思えなかったのかも。
お金持ちという人種に、言葉以上の意味や魅力を見出さないというか。
龍飛王は確かに裕福だけど、才能があるからこそその地位についているだけで、そこを基準に判断されたりきらわれたりしたら、なんか気の毒ではある…


龍飛王が身につけているスーツもネクタイもカフスも時計も、相変わらず今まで鼓翼が見たことのないやつだった。しょっちゅう来店してくれているから覚えているんだけど毎回違うから、まだ何かあるんだ!?、みたいに鼓翼は思った。
新調したのかブランケットにあったのか、借り物なのかさっぱりわからなかったけど、良いお値段なのは確実だった。※寧ろ毎度違う装いで来てくれているのでは※

で、軽く引いている鼓翼に龍飛王は言ったんだよね。
食事を一緒にどうかと。
王道の口説き文句!(笑)
鼓翼は丁度小腹が空いていたし、いいぜ、と言ったら、予約している店があるって言われて高級車※大き過ぎないすごいやつ※に乗せてそのまま連れて行ってくれた。
龍飛王、手際だけはピカイチ…!


着いた先はすんごいホテルの最上階。バーみたいに暗いけど豪華でインテリアもやばすぎで、でも出す料理も酒も美味しいところに連れていかれた。
鼓翼、唖然(笑)
でもコースらしい料理はどれも全部うまかった。めっちゃ勉強になるなと思って、鼓翼は真剣に味と食材と調味料、切り方、盛り付け方を全部盗むつもりで味わった。貪欲というよりも研究熱心な、中天の帝。
お腹がいっぱいになった時にはさすがに思考力が若干鈍ったけども。※腹八分目がベスト※

「ごちそうさま」

きちんとフォークとナイフを置いて礼を言う。
食べ方やマナーもマスターしてて、これは鳳舞王の教えというよりも鼓翼が独学で身につけた。郷に入りては郷に従え。一般常識というよりも、節度として学習していた。

龍飛王はテーブルの向こうで、満足げに口端だけを持ち上げているようだった。
龍飛王は鼓翼を食べさせるだけで、肉の皿を空にした以外はお酒しか飲んでいなかった。食は細くはなかったけれど、今夜はそれほど食べたい気分ではなかったのかもだ。鼓翼の様子を見て、何かを考えていたのかもね。

食事が終わったら約束の一時間が経過していたので、鼓翼は龍飛王と大して話もせずに別れることになった。

「また誘う」

次いで、時間を空けておけ、と、上から目線で命令される。

「いやだね」

鼓翼は素直(笑)
俺はあんたの部下じゃない、と鼓翼は龍飛王を恐れもせずに至極真っ当なことを言った。
大体、今は店員と客の関係ではないし、そうだとしても他人から命じられる覚えはないのだから。

龍飛王は鼓翼の生意気な態度と言動を小さく鼻で笑ってあしらうと、ではまた店に行くとだけ告げた。

鼓翼は結局ご飯を奢られただけの形になって、なんだろな? って思った。
龍飛王にとっては何のメリットもないように思えたから。
でも、自前では行けないような、もしかしたら会員制みたいなお店だったので、ぶっちゃけ鼓翼にとってはすんごい刺激になった。
あんな世界があるんだなと驚いたし、自身の趣味ではないけれど、知識や経験として手に入れるものとしては龍飛王の住む世界は非常に魅力的に映った。

なので、鼓翼は龍飛王と過ごす時間は存外有意義かもしれないな、と思った。

…その時は。


つづく…!


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posted by 水堂とらく@はりこのとら紙老虎 at 07:12 | 日々の徒然2023
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